season:Autumn むかご 後編

小さな粒に栄養がいっぱい

 むかごは、山芋の葉の付け根にできる小さくて丸い芽のことです。古くから山の幸として食べられていますが、流通量が少ないため誰もが知るような身近な存在とまではいえないようです。
 しかし、皮をむかずに丸ごと食べられるので、栄養をたっぷりとり入れられるという大きなメリットがあります。その栄養価は、親株の山芋を上回るほどです。
 なかでも注目したいのが、成長ホルモンの分泌を促し、疲労回復や美肌に効果的とされるアルギニン。アルギニンは、体内で作られず、食べ物からとり入れなければならない必須アミノ酸の一つです。成長ホルモンは10代をピークに減少していきます。そのため、美肌や筋肉の維持に、むかごのような食べ物で補うこともおすすめです。
 また、日本人に不足しがちな鉄やカリウムなどのミネラルも豊富に含まれています。とくに、カリウムの含有量は山芋の一種である長芋の1.3倍。とり過ぎたナトリウムを汗や尿として排出して、塩分のバランスを調整する働きがあります。高血圧やむくみが気になる人にもおすすめです。

炊き込みご飯が◎

 むかごは加熱すると皮がやわらかくなり、ほくほくとした食感を楽しめます。そのため、おすすめの調理法が炊き込みご飯。ご飯などでんぷんを含む炭水化物と一緒にとることで、消化不良による胃もたれや胸やけの解消をサポートしてくれます。そのほか、塩ゆでや天ぷらにしてもおいしくいただけます。