season:Winter 金時にんじん 後編

赤色ボディに栄養たっぷり

 スラッとしたフォルムに鮮やかな発色。金時にんじんは、普段スーパーで見かける西洋にんじんとは特徴が異なります。まず、西洋にんじんを上回るのが甘みとやわらかさ。栄養面ではカロテンの含有量は劣りますが、カリウムや葉酸を豊富に含んでいます。リコピンも豊富です。リコピンは赤いトマトの色素成分として知られていますが、金時にんじんの赤色もリコピンによるもの。各栄養素の特徴は次の通りです。

■カリウム
ナトリウムが腎臓で再吸収されるのを抑え、尿と一緒に排泄するのを促す働きがある。その結果、むくみの解消や高血圧の予防が期待できる。

■葉酸
新しい赤血球を作りだすために必要なビタミンB群のひとつ。そのため「造血のビタミン」ともいわれ、細胞の成長が著しい胎児の発育にはとくに重要。

■リコピン
強い抗酸化作用が特徴。体内で増え過ぎた活性酸素を除去してくれるため、血流を改善する効果や生活習慣病を予防する効果、また美容にも期待が大きい。

煮物や炒め物がおすすめ

 金時にんじんは、やわらかいのに身がしっかりして煮崩れしにくいというメリットがあります。そのため、煮物への利用はおすすめです。
 栄養面から考えると、油との相性が良いカロテンが含まれるため、きんぴらや天ぷら、グラッセなど、炒め物や揚げ物にすると効率的に栄養をとり入れることができます。