コラム編 睡眠

質の良い睡眠を食事でサポート!心身の健康アップにもつながります。
今回の管理栄養士


京王リトナード永福町店
田中 美帆

管理栄養士配属店舗では、毎月、旬の食材を使ったレシピを店頭で配布しています。詳しくは各店舗のスタッフまでお問い合わせください。

睡眠は健康を左右する

 良い睡眠とは、体も心も十分に休め、自分が満足したと思える睡眠のことです。「スムーズに寝付ける」「夜間に起きることがない」「朝、すっきりと目覚められる」などがポイントとして挙げられます。
 そして、良い睡眠は、心身の健康にもつながります。そもそも、脳や体が長い時間活発に働いている状態が続くと、中性脂肪が増えたり、血糖値や血圧が上がったりして、生活習慣病を誘発するリスクも高まるといわれています。そのため、良い睡眠はこれらの予防にもプラスに作用するのです。また、脳がしっかり休むことで心も健康な状態に導いてくれます。
 そんな良い睡眠をとるためには、睡眠前、好きな香りや音楽をとり入れてリラックスしたり、心地良く眠れる寝具を準備したりすることも効果的です。

食生活の改善もおすすめ

 また、良い睡眠にかかわる栄養素を積極的にとり入れることもおすすめです。
 必須アミノ酸のひとつトリプトファンは、睡眠ホルモンであるメラトニンの材料となる栄養素で、たらこや鶏むね肉、チーズ、卵、納豆、ナッツ、アボカド、バナナなどに多く含まれています。
 深部体温を下げる作用があるグリシンもおすすめ。なぜなら、人は眠るときに体温を下げる特徴があるからです。エビやイカなどの魚介類、ブロッコリーやほうれん草、グリーンピースなどに多く含まれています。
 さらに脳の興奮を和らげる働きがあるといわれるGABA。発芽玄米、小魚、キムチ、トマトなどに多く含まれています。
 一方で、睡眠前の摂取に好ましくない栄養素もあります。交感神経が優位になりやすい糖質、覚醒作用があるカフェインなどです。また、体温を下げるアルコールは寝付きは良くなりますが、摂取から約3時間後にアルコールから変化したアセトアルデヒドが交感神経を刺激して目が覚めやすくなってしまうため、飲む時間に注意が必要です。
 心身の健康のためにも、良い睡眠を導く食生活を整えましょう。