コラム編 “整腸”

さまざまな体の不調を防ぐためにまずは腸内環境の改善をめざしましょう。未病の改善にも、美しさアップにも期待できそうです。
今回の管理栄養士

新宿二丁目店 小栁 七海

免疫力もアップ

 整腸とは、便秘や下痢などの状態ではなく、毎日規則正しい便通がある状態をめざすことです。
 では、腸の機能が低下するとどうなるのでしょうか。よく起きるトラブルとして挙げられるのが、便通が不規則になること。たとえば、なかなか便が出ないと、排出されなかった有害物質が長く腸内に留まり、腸内環境が悪化します。最悪の場合、がんのリスクが高まることさえあるのです。
 そもそも、腸の調子を整えることは免疫力アップにもつながるといわれています。風邪や花粉症といった身近な病気も、免疫力が低下しているときにかかりやすくなります。そのため、腸を整えることは体全体の健康を維持するためにとても重要なことなのです。

善玉菌と食物繊維がカギ

 整腸のために大切なポイントは、腸の中の善玉菌を増やすことと食物繊維をしっかりとることです。
 善玉菌とは、主にビフィズス菌や乳酸菌など腸の働きを活発にしてくれる菌のことです。善玉菌が腸の中で増えることによって、食べた物の消化吸収を促進して、腸内環境を良好な状態に導いてくれます。すると、体内の老廃物が減り、新陳代謝が上がったり、脂肪が燃焼しやすくなったり、美と健康にとってプラスに作用してくれます。
 善玉菌を増やすには、乳酸菌飲料やヨーグルト、キムチ、ぬか漬けなどの発酵食品をとるのが手軽な方法です。
 一方、食物繊維は、腸の働きを刺激して、腸内に発生した有害物質の排出を促してくれるので、便秘や腸そのものにかかわる病気の予防に働いてくれます。食物繊維には、果物や海藻に多く含まれる水溶性食物繊維と、根菜類や豆類などに多く含まれる不溶性食物繊維の2種類があります。前者は腸内環境の改善や血糖値上昇の抑制などの効果があり、後者は便秘の予防や有害物質の排出効果があります。どちらか一方だけではなく、バランス良く摂取することが大切です。
 日ごろから腸が喜ぶことを意識し、いつまでも美容と健康を良好な状態でキープしたいものです

知っておきたいお料理のいろは

『野菜の保存方法』
■じゃがいも
風通しが良く、涼しい場所で保存。ネット袋に入れてぶらさげておくこともおすすめ。傷みやすい新玉ねぎは、ラップをして冷蔵庫に。

■玉ねぎ
濡らしたキッチンペーパーなどを芯の切り口にあてて、ラップで包んで冷蔵庫に。ちぎったレタスは水に浸して保存し、水を毎日変えて早めに使い切る。

■レタス
日光にあてると、食中毒などを引き起こすソラニンが発生することがあるため、新聞紙などに包んで、冷暗所に保存する。

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