また、いつも感じている体の不調が、冷えからきている場合もあります。
“温”な体を作って健康を手に入れる方法を身につけましょう。
QUIZ それって冷える? 温める? ○×クイズに挑戦!
Q1 暖かい季節に収穫される夏野菜は体を温めるQ2 家の中では、室温を上げて薄着で過ごす方が良い
Q3 首、手首、足首を温めることが冷え防止に良い
Q4 ストレスは冷えには関係ない
Q5 血液は心臓から全身に送り出される
Q6 血液は体全体に熱を運ぶ
Q7 コーヒーは体を温める飲み物だ
Q8 ビールは体を冷やす飲み物だ
Q9 地面の下で育つ野菜には、体を温めるものが多い
Q10 冷えを放置しておくと、深刻な病を引き起こすこともある
さまざまなトラブルと血液と冷えの関係
気温が低くなれば、誰でも「寒い」と感じます。しかし、寒いのではなく、体がいつも「冷える」となると注意が必要です。そもそも、よく耳にする「冷え」や「冷え症」とはどういった状態なのでしょうか。
まず、「寒い」とは、気温の低さを体が感じていること。しかし「冷え」は、とくに手足の先などが慢性的に冷たくなり、なかなか温まらない状態といえます。
では、なぜ手足の先が冷えてしまうのでしょうか。
私たちの体のすみずみには、血液が流れています。血液は、体中を巡ることで、酸素や二酸化炭素、栄養素などを運搬したり、体に不要となったものを排出したりします。また、熱も血液によって運ばれます。そのため、血液は体温を調節する役割も持っているのです。そして、この血液がどこから送られているかというと、心臓です。
手足の先は、心臓から最も遠い部分です。そのため、全身に血液がスムーズに送られていないとすれば、手足の先はより血液が滞りがちになります。そうなると当然、熱も届きにくくなり、冷えてしまうのです。
次に、冷えが続くと、体にはどのような影響があるのでしょうか。
血流が大きく関係しているわけですから、むくみや肩こり、腰痛、肌荒れなども冷えのせいかもしれません。そのほか、頭痛や便秘、自律神経やホルモンバランスの乱れ、免疫力の低下、消化器官の衰えなども冷えが原因の場合があります。放置しておくと、手足の先だけでなく内臓まで冷えはじめ、もっと深刻な病を引き起こすことさえあります。いつも感じていた体の不調の原因が、もしかしたら冷えである可能性もあるのです。
よく「冷えは万病のもと」といわれますが、そのゆえんに納得もできることでしょう。
体を冷やす生活習慣チェック
冷えの防止に、血液のスムーズな流れが大切なのであれば、血液の流れを滞らせるような生活習慣には十分注意するべきです。では、体を冷やす生活はどういったものなのでしょうか。日ごろ、自分がどんな生活を送っているか、下のリストでチェックしてみましょう。
チェックが多くついた人ほど、冷えやすい体になっているかもしれません。
そこで、体を温める生活習慣とはどういったものか、次から衣・食・住に分けて、考えていきましょう。
生活習慣チェックリスト □ 運動不足
□ エスカレーターやエレベーターをよく利用する
□ 姿勢が悪い
□ 室内と室外の温度差が激しい
□ 入浴はシャワーですます
□ 夜は入浴せず、朝出掛ける前にシャワーを浴びる
□ ストレスを多く抱えている
□ 食事時間や睡眠時間が不規則
□ きつめの洋服や下着を身につけていることが多い
□ 肌を露出した服装をすることが多い
□ ヒールの高い靴をよく履く
□ 無理なダイエットをしてしまう
□ 外食が多い
□ ビールをよく飲む
□ 冷たい飲み物が好き
□ 夏の間、アイスや氷などをよく食べた
□ 甘いものが好き
□ 夏野菜が好き
□ 偏食がち
□ タバコを吸う
衣・食・住を見直して〝温〟生活をめざそう
衣 チェックリストにもありましたが、体を締め付けるような服装は、当然のことながら血液の流れを悪くします。また、むやみな厚着は効率的な保温にはなりません。実は、体には温めるべき部分があるのです。それが、首や手首、足首です。皮膚と血管の距離が近いため、血管に温かさが伝わりやすいからです。また、内臓が冷えると体の末端まで血液が行き渡りにくくなるため、お腹周りを温めることも有効です。さらに、上半身よりも熱を作る筋肉が多い下半身を温めることで、暖かさがアップします。
下着は、ほどよくフィットするものを身につけることで、保温効果が上がります。
このように、温めるポイントを把握しておけば、寒い季節もすっきりしたスタイルで過ごすことができるでしょう。
食 食べ物には、昔から〝体を冷やす食べ物〟と〝体を温める食べ物〟があるといわれています。
とはいえ、たくさんある食べ物のなかで、体を冷やすものと温めるものを区別するのはなかなか難しいところです。
ひとつの目安として、冬が旬の食べ物や寒い地域で育つ食べ物が体を温めるといわれています。さらに、地面の上で育つ野菜よりも地面の下で育つ野菜の方が体を温めるといわれています。
もちろん、なかには例外もありますし、体を冷やす食べ物が体に悪い食べ物というわけではありません。
毎日の食事を考えるときに、なるべく旬のものを食べたり、温かい飲み物を飲んだりして、栄養バランスの良い食生活を心掛けるようにしましょう。 住 住環境で最も気をつけたいのが、部屋の温度です。寒いからといって、シャツ一枚や半袖などで過ごせるくらい部屋を暖めてしまうのはNG。室外と室内の温度差が激しくなると、それだけ体にも負担をかけることになるからです。
寒い季節のエアコンの設定温度は、一般的に20度が目安とされています。しかし、20度ではやっぱり寒いと感じる人も多いでしょう。その場合は、さきほどの〝衣〟の項で説明したように、効率的に体を温める服装を心掛け、冷えすぎないように注意しましょう。
そのほか、湯船にお湯をためてきちんと入浴したり、足湯をしたりすることも大切です。また、体を緊張状態にしてしまうストレスを発散できるような趣味をみつけたり、リラックスの時間を設けたりすることもおすすめです。
今年の冬は、「私は冷え症だから」とあきらめず、少しずつ生活習慣を改善し、〝温〟な体で毎日を過ごせるよう、頑張りましょう。
寒い季節におすすめ! しょうがの力 寒い季節におすすめ! しょうがの力 気温が低くなると冷えに悩まされる人は多くなります。けれど、体が冷えるのは、単に気温が低くなることだけが原因ではなく、体を冷やす食材のとり過ぎや運動不足なども原因として挙げられます。
体が冷えたままでいると、体温を保つエネルギーが全身に運ばれにくくなり、内臓まで冷え始めます。すると、抵抗力は弱まり、体調を崩しやすくなってしまいます。
そこで、冷えない体作りにおすすめしたい食材が、漢方薬でも使われる「ショウキョウ」といわれる生薬、つまりしょうがです。しょうがに含まれる成分が、血の巡りを良くしてくれたり、胃腸を温めてくれたり、免疫力アップのサポートをしてくれたりします。しょうがは、お料理にもいろいろ使える食材。積極的にとり入れて、寒い季節を元気に過ごしましょう。 しょうが湯のぽっかぽかだんご 材料(2人分)
だんご粉……………50g
市販のしょうが湯…1袋
熱湯……………35~40g
きな粉……………お好み
黒蜜………………お好み
作り方
①だんご粉にしょうが湯1袋を混ぜる
②35〜40gの熱湯を入れてよくこねる
③耳たぶくらいの感触になったら、直径2cmくらいに丸めて、だんごを作る
④鍋に湯を沸かし、③を入れる。浮き上がってきてから、5~6分ゆでる
⑤水にとった後、水気を切る
⑥きな粉や黒蜜をかけて完成
ここがポイント
よくこねることで、なめらかな口当たりのおだんごになります。多めの湯で溶かしたしょうが湯におだんごを入れたり、おしょうゆを少し垂らしてもおいしくいただけます。