コラム編 熱中症

暑い日が続き、体調管理がしにくい夏。
熱中症を予防するためには水分と栄養の適切な補給がポイントです。
今回の管理栄養士

新高円寺店 根本
新高円寺店
根本

管理栄養士配属店舗では、毎月、旬の食材を使ったレシピを店頭で配布しています。詳しくは各店舗のスタッフまでお問い合わせください。

熱中症はなぜ起きる?

 熱中症は、体内で発生した熱をうまく外に出せなくなると発症しやすくなります。
 蒸し暑いなかでの運動や活動はもちろん、近年の猛烈な暑さの下では、エアコンをつけていない室内でじっとしているだけでも熱中症の発症率が高まります。こういった環境では大量に汗をかくため、体内から水分が減少し、血液が体中に十分に行き渡らなくなってしまいます。その結果、筋肉のこむら返りや意識の消失、臓器の機能低下などを引き起こす熱中症が発症するのです。

水分補給と食事で予防

 熱中症を予防するためには、水分のほか、ナトリウム、カリウム、タンパク質、ビタミンC、ビタミンB1などの栄養素を摂取することが大切です。水分は血流や自律神経の乱れを防ぎます。ナトリウムやカリウムは細胞内外の濃度を一定に保とうとする浸透圧の調節に役立ちます。タンパク質は体の機能維持に重要で、ビタミンCは免疫を高めます。ビタミンB1はエネルギー代謝に関与し、神経や筋肉の機能をサポートします。
 水分摂取は、純粋な水だけでなく、スポーツドリンクなど、ミネラルを含んだ飲料もおすすめです。しかし、一度に大量の水分を摂取すると体内の電解質バランスが崩れて体調不良につながります。夏は1日1・5〜2リットル程度を目安に、のどが渇く前に〝こまめ〟に水分補給するようにしましょう。また、就寝中や入浴中は体内の水分が減少しがちです。就寝前、起床時、入浴前後などはとくに意識して摂取しましょう。
 ちなみに、水分量が多いトマト、なすといった夏野菜の摂取も、効果的な水分補給につながります。逆に、アルコール飲料は利尿作用があり、水分補給の役割は担えません。
 また、体温調整能力が未発達な子ども、暑さやのどの渇きを感じにくくなる高齢者は、熱中症リスクが高まるといえます。身近に子どもや高齢者がいる場合は、水分補給を気にかけてあげるようにしましょう。