水溶性と不溶性をバランス良く、上手に摂取する方法を紹介します。
今回の管理栄養士
西葛西店
江川
管理栄養士配属店舗では、毎月、旬の食材を使ったレシピを店頭で配布しています。詳しくは各店舗のスタッフまでお問い合わせください。
食物繊維の働きや注意点
食物繊維は消化酵素で分解されずに大腸まで届く栄養素で、水に溶ける水溶性と溶けない不溶性があります。水溶性食物繊維は、体内で糖質の吸収を緩やかにしてくれます。さらにコレステロールを吸着して排出をサポートする働きもあります。不溶性食物繊維はおなかで水分を吸収して膨らみ、腸内で善玉菌のエサとなっておなかの調子を整えてくれます。このように水溶性と不溶性では体内で異なる働きをするため、両方をバランス良く摂取することが健康維持につながります。
食物繊維が不足すると、腸内環境が悪化して便秘や痔のリスクが高まったり、脂質や糖の排出が滞って肥満になりやすくなったりします。一方で、とり過ぎると軟便や下痢の原因となり、ミネラル類の吸収が妨げられる可能性があります。 現代の食生活では食物繊維不足の傾向があるため、上手な摂取を心掛けることが必要です。
調理方法にも工夫を
水溶性食物繊維を含む主な食材には、わかめやひじきなどの海藻類、じゃがいもや里いもなどのいも類、プルーンなどの果物類があります。不溶性食物繊維を豊富に含む食材には、ごぼう、かぼちゃなどの野菜類、しめじやしいたけなどのきのこ類、ライ麦やオートミールなどの穀類、こんにゃくなどが挙げられます。1日に必要な量の食物繊維は、たとえば、じゃがいも約1個、ごぼう約20g、しめじ約30g、こんにゃく約80g、水に戻したひじき約25g、バナナ1本を合わせて、成人女性の目安量である18g以上を摂取することができます。また、成人男性の1日の摂取目安量は21g以上です。食物繊維を上手にとるためには、水溶性と不溶性の両方を多く含む食材を組み合わせた調理がおすすめです。たとえば左ページのレシピのように、わかめとたけのこ、じゃがいもと菜の花のような組み合わせです。
また、繊維の多い野菜類は過熱してかさを減らすことで摂取量を増やすことができます。食材の特徴を活かしながら、上手に調理してみましょう。