コラム編 からだにいい油

油は悪者ばかりではありません。体にいい油を見極めて上手にとり入れましょう。
今回の管理栄養士


中延店
荒木 祐人

管理栄養士配属店舗では、毎月、旬の食材を使ったレシピを店頭で配布しています。詳しくは各店舗のスタッフまでお問い合わせください。

油の種類と特徴

 オイルは、次のように一価不飽和脂肪酸、多価不飽和脂肪酸、飽和脂肪酸の3種類に大きく分けられます。それぞれ特徴が異なるので、整理しておきましょう。

一価不飽和脂肪酸
オリーブ油や菜種油、ひまわり油などです。酸化しにくく、善玉コレステロールを減らすことなく、悪玉コレステロールを減らす働きがあります。

多価不飽和脂肪酸
えごま油、亜麻仁油などのn−3系、ごま油、大豆油、紅花油などのn−6系に分けられます。n−3系は中性脂肪を減らして善玉コレステロールを増やし、血流の流れをスムーズにするといわれています。n−6系は悪玉コレステロールを減らす働きをしますが、同時に善玉コレステロールも減らしてしまうというデメリットがあります。

飽和脂肪酸
バターやマーガリン、ラードなどです。日常生活を送るうえで必要なエネルギー源となる一方、とり過ぎると悪玉コレステロールが増え、生活習慣病のリスクを高めるといわれています。
 以上のことから、体にいい油は一価不飽和脂肪酸、多価不飽和脂肪酸のn−3系ということになります。ちなみにn−3系のえごま油や亜麻仁油は、熱に弱いため、加熱せずにドレッシングと混ぜてとり入れるのがおすすめ。しかし、体にいいからといって過剰摂取は禁物です。適度な摂取量を心掛けましょう。

人気上昇中の健康オイル

 また、健康志向の高い人に最近注目されているのがMCTオイルです。MCTとは中鎖脂肪酸のことで、主にココナッツやヤシの種子などからとった中鎖脂肪酸で作られているオイルです。
 消化や吸収が早い、エネルギー源として利用しやすい、脂肪として蓄積されにくいなどの特徴があり、特定保健用食品として認められているものもあります。煙が発生する温度がほかのオイルより低いため、炒め物や揚げ物などには使えません。そのため、ドレッシングなどとして使うことがおすすめです。