人の体内では作り出せない ファイトケミカルの効果

植物由来の化学物質

 ファイトケミカルのファイトは「植物」、ケミカルは「化学物質」という意味。つまり、ファイトケミカルとは、植物が紫外線や有害物質、害虫などの外敵から身を守るために作り出した化学物質のことです。ファイトケミカルは、植物の色素や香り、苦み、辛みなどの成分として含まれています。私たち人間の健康や美容にもさまざまな効果を期待できるため、注目されている成分です。  ひと口にファイトケミカルといってもたくさんの種類があり、ポリフェノール群やカロテノイド群、硫黄化合物群など、下の表のように分類されています。

得られる効果

 ファイトケミカルの効果で最も期待されることが抗酸化です。つまり、老化をはじめ、がんや動脈硬化などといった病気にもかかわる活性酸素の害を取り除いてくれるということです。とくにポリフェノール群には、強力な抗酸化作用があることが分かっています。  抗酸化作用以外にもさまざまな働きがあります。たとえば、大豆や大豆製品に多く含まれているポリフェノールの一種イソフラボンは、女性ホルモンと似た働きがあり、月経前症候群や更年期障害などをやわらげてくれるともいわれています。緑黄色野菜などに多く含まれているカロテノイド群の色素成分は、植物を紫外線の害から守る働きがあります。つまり、日焼け対策に力を発揮してくれるともいえるのです。  ファイトケミカルは、私たちが日常的に食べている野菜や果物などほとんどの食品に含まれています。そのため、さまざまな食品をバランス良くとり入れることで、ファイトケミカルの力を上手に借りられるといえるでしょう。

ファイトケミカルの種類と特徴

今回のアドバイザー


管理栄養士 横浜ベイクォーター店 横田 萌

色素成分でもあるファイトケミカル。つまり、お料理を作る際の彩りも健康や美容にメリットがあるといえます。見た目に美しいお料理作りを心掛けて、おいしくいただきましょう。