体に必要な炭水化物 上手にとり入れる方法

炭水化物と糖質

 炭水化物とは、たんぱく質、脂質とともに人の体に必要な三大栄養素のひとつで、主にエネルギー源として利用されています。炭水化物は糖質と食物繊維を総称したもので、このうち糖質は、ご飯やパン、うどん、いも類、果物などに多く含まれています。最近耳にすることが多い「糖質制限ダイエット」とは、これら食品の摂取を制限するダイエット方法のことです。
 糖質制限の食事法は、もともと糖尿病患者の血糖値の急激な上昇を抑えるためのものでした。しかし、この食事方法がダイエットや糖尿病以外の病気の予防にも効果があるとされ、健康意識の高い人を中心に多くの注目を集めるようになったのです。
しかし、糖質制限といっても、炭水化物の摂取量を極端に減らすのは体によくありません。下図を参考に適正な量を把握し、コントロールしていくことが大切です。

炭水化物の1日の摂取基準量=1日の摂取エネルギーの50~65%
例)1日の摂取エネルギーが2,000kcalの場合
※炭水化物1gは4kcal、計算式の50~64%は、60%で計算
2,000kcal×60%÷4kcal=300g
1日の炭水化物摂取量の目安は300g前後となります。
食品の炭水化物量の目安

糖質と上手につき合うには

 糖質の上手なとり方として、いつもの食材を血糖値の上昇が緩やかな食品、いわゆる低GI食品に置き換える方法があります。たとえば、白米→玄米や雑穀、そうめん→そば、砂糖→低糖質の甘味料などです。
 また、小腸での糖質の消化吸収を緩やかにしてくれる効果がある水溶性食物繊維の多い野菜や海藻類などの食品と一緒に食べるのもおすすめです。
 さらに、食べる順番にも気をつけるといいでしょう。先に食物繊維やたんぱく質、脂質が多い食品を食べ、最後に炭水化物をとることで血糖値が上がりにくくなります。
 炭水化物を制限し過ぎると、集中力がなくなったり、疲れやすくなったり、肝臓機能が低下したりとデメリットもたくさんあります。摂取量や摂取方法に気をつけて、健康的な体を維持しましょう。
今回のアドバイザー


管理栄養士 鶴川店 太田代 光莉

食品に含まれる炭水化物の量を考えながら食事をすることはなかなか難しいため、血糖値が急激に上がらない野菜から食べることだけでも意識してみるといいでしょう。