コラム編 “血流対策”

血液がスムーズに流れることは重大な病を防ぐことにもつながります。そのためには食事面からのアプローチも重要です。
今回の管理栄養士

京王リトナードつつじヶ丘店 松永 鮎美

「ドロドロ」とはどんな状態?

 ドロドロの血液は身体に悪く、サラサラの血液は健康的……。こんな話をよく耳にします。この「ドロドロ」や「サラサラ」とはいったいどのような状態なのでしょうか。
 「ドロドロ」と聞くと、あたかもドロッとした血が血管を流れている様子をイメージしがちです。しかし、実際は赤血球や白血球、血小板の量や質に異常が起こり、血液が流れにくくなっている状態のことを表しています。その反対に血液が流れやすい状態を「サラサラ」と言っているのです。
 そして、ドロドロ血液は脳梗塞や心筋梗塞など命にかかわる病気を引き起こす可能性がある恐ろしい状態です。そこで、食事や生活習慣に気をつけ、血液が体内を滞りなく流れるサラサラ血液の状態をめざしましょう。

食事で「サラサラ」に

 ドロドロ血液を招いてしまう原因はいくつかあります。まずは、脂肪分の多い食べ物をとり過ぎるなどの偏った食生活により、中性脂肪が蓄積されてしまうこと。そして、運動不足や水分不足、ストレス、喫煙なども挙げられます。つまり、サラサラ血液になるためには、栄養バランスのとれた食事、水分補給、適度な運動などを心掛けることが大切なのです。
 効果的な栄養素の代表格は、さんまなどの青魚に多く含まれるDHA、EPAです。これらは不飽和脂肪酸の一種で、血液中の中性脂肪を減らす働きがあり、赤血球や血小板に作用して血液の流れを良くしてくれる効果があります。そして、食物繊維も積極的にとりましょう。食物繊維は不溶性と水溶性に大きく分けられ、とくに水溶性食物繊維は、血糖値の上昇の抑制、コレステロールの排出などを期待できます。また、コレステロールの酸化を防いでくれるポリフェノールも有効です。
 このような血液をサラサラにする食べ物は、血栓や動脈硬化の予防に効果的なだけではなく、ほかの生活習慣病の予防にもつながります。日ごろからとり入れるように心掛けましょう。

知っておきたい お料理のいろは

『小麦粉と片栗粉の違いと使い方』 ■強力粉
グルテンというたんぱく質が多く含まれている硬めの小麦粉。粒が荒くサラサラしている。
〈おすすめ料理〉
パン、ピザ、麺など

■薄力粉
グルテンの含有量が少なくやわらかめの小麦粉。強力粉よりも弾力を抑えたい料理におすすめ。
〈おすすめ料理〉
お好み焼き、クッキー、天ぷらなど

■片栗粉
でんぷんの粉。とろみをつけたい料理によく使われるが、揚げ物の衣にもおすすめ。
〈おすすめ料理〉
麻婆豆腐、カレー、竜田揚げなど

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