食塩のとり過ぎに要注意!減塩をめざす食生活を始めよう

心臓病の原因にも!

 「塩分のとり過ぎは健康に良くない」と聞いたことがある人は多いことでしょう。しかし、塩分は私たちの体に必要不可欠な存在です。
 塩分は、体液の塩分濃度や、酸性・アルカリ性といったph値の調整などを行っています。しかし、とり過ぎると、細胞内外のミネラルバランスが崩れて、むくんだり血圧が上昇したり、あるいは心臓病や腎臓病の原因となることもあります。
 そのため、塩分は適度にとらなくてはならないのですが、現代人は塩分のとり過ぎが問題となっています。
食塩相当量の1日の目標量 男性 8.0g 未満
女性 7.0g 未満
(厚生労働省の「日本人の食事摂取基準2015年版」)
1日の塩分の目標量を分かりやすくいえば、小さじ1程度。
日本人の多くは1日10g以上の塩分をとっているといわれています。


減塩の工夫

 そこで、毎日の食生活でできる減塩のポイントが次の通りです。少しずつ意識して、塩分のとり過ぎに注意しましょう。
●加工食品……冷凍食品やお菓子、インスタント食品などは、保存性を高めるために食塩が多く含まれています。毎日食べるのではなく、上手な利用を心掛けましょう。
●調味料……調味料は〝かける〟のではなく、〝つける〟ことで、使用量を減らすことができます。
●外食……麺類のスープや味噌汁などの汁を残すようにしましょう。
●野菜……ナトリウム(※)を排泄する働きがあるカリウムを多く含む野菜や果物を意識してとりましょう。(下イラスト参照)
●味付け……料理の味付けをするときには、香辛料や酢、だし汁を利用し、ハーブやにんにく、しょうがなどの香味野菜でアクセントをつけると良いでしょう。

カリウムが多い食品

熱中症予防のための水分のとり方 甘いジュースや清涼飲料水ばかり飲んだり、一気に飲んだりするのはNG。じわじわ汗をかく程度であれば、塩分の喪失はそれほど多くないため、いつものような食事と水分をとれば大丈夫。運動をする場合は、スポーツドリンクを薄めて飲むなどして、糖分や塩分のとり過ぎに気をつけましょう。

※ナトリウムと食塩の違い
食塩はナトリウムと塩素からできた化合物のため、その重量も食塩=ナトリウムとはなりません。
食塩相当量(g)=ナトリウム(mg)×2.54÷1000


今回のアドバイザー


管理栄養士 元住吉西口店 石和 優衣

年齢を重ねて悪影響が出る塩分の過剰摂取。いまのうちから、食生活を正しておきましょう。