ストレスによる胃腸の不調

漢字ばかりが並んでいて難しそうなイメージがある漢方薬。しかし、「なんとなくだるい」「なんとなく手足の冷えがずっと気になっている」など、病気になっていなくても健康とは言い切れない「未病」の状態のときにとり入れてみることもおすすめです。今回ご紹介するのは、ストレスからくる胃腸トラブルにおすすめの漢方薬です。

「安中散加茯苓」あんちゅうさんかぶくりょう
主にどんな生薬が入っている? 桂皮(ケイヒ)延胡索(エンゴサク)牡蛎(ボレイ)茴香(ウイキョウ)
「桂皮」はクスノキ科の木の樹皮や枝で血行を促す。「延胡索」の塊茎(肥大した地下茎)は鎮痛作用がある。「牡蛎」はカキの殻でストレスや疲れに。「茴香」はセリ科の植物の果実で、胃痛を緩和。

太田漢方胃腸薬II 太田漢方胃腸薬II 不安や緊張などのストレスで自律神経が乱れ、胸やけや食欲不振など不調をきたした胃を安中散加茯苓が改善。

「半夏瀉心湯」はんげしゃしんとう
主にどんな生薬が入っている? 半夏(ハンゲ)黄芩(オウゴン)大棗(タイソウ)甘草(カンゾウ)
「半夏」はサトイモ科の植物の塊茎、「黄芩」は黄金花の根で、いずれも胃の機能を改善。ナツメの実の「大棗」は痛みを和らげる。甘味料としても使われる「甘草」は精神安定や健胃に。

半夏瀉心湯エキスEX錠クラシエ 半夏瀉心湯エキスEX錠クラシエ ストレスが原因の胃腸の不調に効果的な漢方薬。胃腸の働きに生薬が総合的にアプローチし、作用することで症状を改善。


〈監修〉修琴堂大塚医院 渡辺 賢治 先生
〈監修〉
修琴堂大塚医院
渡辺 賢治 先生
https://kampo-otsuka.com/

ストレスによる胃痛や消化不良は誰もが経験します。安中散加茯苓は日ごろから胃腸が弱い方や胃酸が多い方におすすめ。半夏瀉心湯は胃腸はそれほど弱くなくても、過労やストレスで胃が張って食欲がなくなったり、下痢をしたりするような場合によく効きます。

漢方薬を選ぶ際には、トモズ各店舗の薬剤師・登録販売者にご相談ください。

漢方を利用する際のポイントと注意点

漢方薬には即効性を期待できるものと長期的に体質を改善していくものとがあります。後者の場合は、約3カ月は飲み続ける必要があるといわれています。また、自然の材料を使っているからといって副作用がまったくないわけではありません。体調が長く改善されないときには、医療機関を受診することも必要です。