眠りは健康の源!快適な睡眠環境の作り方

女性の体調を左右する女性ホルモン。年齢を重ねると“更年期障害”という悩みも……。 しかも更年期障害は若い女性にも男性にも起こるという話も聞かれるようになりました。 そこで、更年期障害にかかわるホルモンを中心に、体全体のホルモンバランスについて考えてみましょう。

快適睡眠チェックリスト 睡眠で休養が十分にとれていない人の割合

睡眠と体との関係

 睡眠不足が数日続けば、健康に悪影響を与えます。なぜなら、私たち人間は、毎日睡眠をとることで1日の疲れをとったり、ダメージを受けた細胞を修復したり、ストレスを取り除いたりしているからです。つまり、人は眠りなくして生きていくことはできないのです。
 そこでまず、よく耳にする〝質の良い睡眠〟について理解してみましょう。
 睡眠には、浅い眠りのレム睡眠と深い眠りのノンレム睡眠があります。睡眠中、この2つの眠りを繰り返しており、質の良い睡眠にはノンレム睡眠をきちんと、とれていることが必須といえます。ちなみに、昼間、少しうとうとしただけなのになぜか頭がスッキリすることがあります。それは、短時間にノンレム睡眠をとっているからです。
 また、質の良い睡眠には副交感神経と交感神経という2種類の自律神経も大きく影響します。
 副交感神経は、睡眠中やリラックスしているときに優位になります。
心拍数が下がって、筋肉は緩んだ状態です。逆に、日中、活発に動いているときに優位になるのが交感神経。
緊張したり不安に思うことがあったりしたときにも優位になり、心拍数が上がったり、筋肉が緊張したりします。そのため、大きなストレスを抱えていると交換神経が優位になり、眠りも浅くなってしまうのです。
 ちなみに、年齢ごとの夜間睡眠時間はだいたい次の通りです。
15歳前後……約8時間
25歳…………約7時間
45歳…………約6時間30分
65歳…………約6時間


 この結果をみると、睡眠時間は成人してから20年ごとに約30分ずつ減少することも分かります。(厚生労働省「健康づくりのための睡眠指針2014」より)。
 必要な睡眠時間は6~8時間ですが、個人差があるため、自分にはどの程度の睡眠時間が必要かを把握しておきましょう。

副交感神経と交感神経

副交感神経が優位
■眠っているとき
■リラックスしているとき
■休憩しているとき
■静かな音楽を聞いているとき
■入浴して体があたたまっているとき

交感神経が優位
■仕事をしているとき
■元気に活動しているとき
■運動しているとき
■緊張しているとき
■ストレスを感じているとき



自分では気づかない睡眠中のトラブル

 また、質の良い睡眠を得られていない場合は、睡眠中に次のような行動をしているかもしれません。

いびきをかく  いびきをかくのは、空気の通り道である気道が狭くなるから。気道が狭くなる原因は、鼻が詰まっている、首の周りに脂肪がついているなどです。激しいいびきは、呼吸が短時間止まってしまう睡眠時無呼吸症候群が原因の場合もあります。

歯ぎしりをする  ストレスが大きな原因といわれていますが、アルコールの飲み過ぎや喫煙も原因となるようです。睡眠中の歯ぎしりはかなり強い力がかかっているため、ひどい場合には、歯が削れたり折れたりすることもあります。あごの関節で音がしたり、朝起きたときにあごが疲れていたり、あるいは頭痛を持っている人は、歯ぎしりをしている可能性もあります。

寝言や寝返りが多い  小声の短い寝言はそれほど問題はないようですが、うなされているような寝言、頻繁な寝返りは、ストレスが主な要因といわれています。

夜中に何度も目が覚める  とくに高齢者に多くみられるトラブルです。ストレスや睡眠時無呼吸症候群のほか、頻尿が原因となることもあります。

足がむずむずする  睡眠中に足がむずむずしたり熱くなったりという違和感は、レストレスレッグス症候群かもしれません。神経細胞の異常や鉄分不足などが原因と考えられています。

 眠っている間のことですから、自分では気づいていないことも多々あります。ときどき、家族間で睡眠中の様子をチェックし合い、気になることがあれば病院で診断してもらいましょう。

夏バテと睡眠不足の悪循環 気温や湿度が高い季節は、夜も寝苦しいもの。睡眠不足は体調不良や食欲不振も招きます。さらに睡眠不足を続けると、体調はどんどん悪化。睡眠環境を整えて、体力を温存することが大切です。


眠りに導く環境を整える

 では、質の良い睡眠をとるためにはどうしたら良いのでしょうか。
 規則正しい生活習慣を送る、栄養バランスの良い食生活を送る、適度な運動を継続する、ストレスを上手に発散するなど健康をキープするためにしなければならないことは、質の良い睡眠にも必須です。
 さらに、ストレスなく眠るために次のような〝睡眠環境〟を整えることも意識しましょう。

 高過ぎても低過ぎても、かた過ぎてもやわらか過ぎても、そして小さ過ぎてもNG。仰向けになったとき、立った状態と同じように頭と首、背中がまっすぐになるような高さの枕がベストです。

シーツ  暑い季節は、吸湿性や通気性が良く、肌触りの良い綿や麻などの素材のものがおすすめです。

照明  睡眠前に部屋を薄暗くし、テレビやスマートフォンなどは見ないようにしましょう。

温度  エアコンをつけて寝る場合は25~28度の設定が理想。扇風機を使う場合は足もと側に置いて風が直接体に当たらないように心掛けましょう。

 以上が、おすすめの主な睡眠環境です。しかし、いろいろな方法を試して自分が一番気持ち良く眠れることが大切です。ぐっすり眠れる環境を探していきましょう。