60年以上前から受け継ぐ アメリカンファーマシーのオリジンとコンセプト 後編

“温かい心や誠意”を売る

 こうして始まったアメリカンファーマシーが、当時、コンセプトに掲げていたのが、“Your Drugstore in Japan(あなたのためのドラッグストアでありたい)”というものです。
 戦後、アメリカンファーマシーの経営に携わったアメリカ生まれの日本人スタッフが、次のような言葉を残しています。「モノは売らなくていい。グッド・ムードを売りなさい。タバコを求めて外国の方が見えたら、外国タバコを売っている店をお教えしなさい。おろしたてのユニフォームでも、汚れたらすぐに着替えなさい。これらすべてがグッド・ムードにつながる」「お客様はただで帰してはいけない。売るものがなければ“グッドウィル(温かい心・誠意)”を売りなさい」
 ルールや形式、お店の売り上げなどに捉われるのではなく、お客様が必要とすること、望んでいることを聞き取ったり感じ取ったりし、スタッフが臨機応変に動くことがアメリカンファーマシーの“売り物”だったともいえるでしょう。
 このようにして、お客様がいつお店にいらっしゃっても、気持ち良くお買い物して帰っていただけるお店作りを心掛けていました。

60数年前の想い守り続ける

 もちろん、そういった当時の想いは、いまも変わらずに受け継いでいます。
 たとえば、大切な方への贈り物を考えているお客様がいらっしゃったら、スタッフは親身になって相談にお応えします。そして、気持ちを込めてアメリカンファーマシーらしいラッピングをさせていただきます。サプリメント選びに悩んでいる方、肌に合った化粧品を探している方などへの応対も同様です。ときには、日本語をあまり話せない外国の方もいらっしゃいます。そういったときも、お客様のことを思ってできる限りお応えするように努力しています。
 このように60年以上前から続くアメリカンファーマシーのオリジンとコンセプトは、時代が変わってもずっと守り続けていくべき大切なものだと自負し、私たちはお店作りに励んでいます。