コラム編 “熱中症”

熱中症は暑い日だけの問題ではありません。熱中症のリスクを高める要因を確認し、食事面からも予防を心掛けましょう!
今回の管理栄養士

麻布十番店 籾山 美里

熱中症の要因

 毎年暑くなり始めたら意識しておかなければならないキーワードが「熱中症」です。熱中症は、体内の水分や塩分などのバランスが崩れることにより体温の調節機能が働かなくなり、体温の上昇、めまいや倦怠感、けいれん、意識障害などの症状を引き起こすことをいいます。
 熱中症に注意が必要なのは、気温が高い日だけではありません。湿度が高い日や風が弱い日なども熱中症リスクがぐっと上がります。また、夏の初めのまだ体が暑さに慣れていない時期、あるいは涼しい日が続いた後に急に気温が高くなった日なども要注意日といえます。

予防に効果的な栄養素とは

 熱中症の予防として一番大切なことは、水分をこまめにとることです。大量に汗をかいたときは、体の中の塩分がたくさん放出されてミネラルバランスが崩れるため、塩分も適度にとる必要があります。スポーツドリンクや経口補水液は、水分と塩分を同時に摂取できるので熱中症予防としておすすめです。
 夏は食欲が低下しがちですが、バランスの良い食事を心掛けることも熱中症予防につながります。とくにおすすめの栄養素はビタミンB1とクエン酸です。
 ビタミンB1は糖質がエネルギーに変わるのをサポートしてくれる働きがあります。摂取エネルギーの約半分を糖質が占めている日本人にとって、とても重要な栄養素であるといえます。ビタミンB1が不足すると糖質の代謝がうまくいかなくなり、その結果、疲れの原因となる乳酸などがたまり、疲労や筋肉痛の原因となってしまいます。一方、クエン酸には乳酸を分解する働きがあるため、疲労回復やスタミナ維持に欠かせない栄養素のひとつです。酸味が食欲不振を改善してくれる効果も期待できます。
 また、睡眠不足や体調不良、朝食を食べないことなども熱中症のリスクを高めてしまいます。栄養面に気を配るとともに、規則正しい生活を心掛けることが熱中症予防に大切だといえそうです。

知っておきたいお料理のいろは

『きゅうりの飾り切り〈切り違い〉』
① 約5cmの長さに切る
② 中心部分に包丁を刺して水平に切り込みを入れる
③ 上からななめに②の切り込みまで切る
④ 裏返して同じようにななめに切る
⑤ 2つに分けて出来上がり

飾り方
切った部分を上にして、めんたいこやウニをのせて飾るのがおすすめ

管理栄養士配属店舗では、毎月、旬の食材を使ったレシピを店頭で配布しています。詳しくは各店舗のスタッフまでお問い合わせください。