春からの常識マナー “ニオイOFF”を実践しよう

汗ばむ春になると、気になるのが汗や体のニオイ。
とくに初対面の人に嫌なニオイを与えてしまうと、自分に対する印象までダウンしかねません。
“ニオイOFF”の爽やかなボディを心掛けて、爽やかに春を迎えましょう!

ニオイ対策は大人のエチケット

 私たちの生活のなかにはうっとりするようないい香りがあるかと思えば、イヤ~なニオイもたくさんあります。そのなかで日々気になるのが、体から発するニオイでしょう。
 口臭や体臭のきつい人が近くにいると、思わず顔をしかめてしまったり、離れたくなります。しかし、その相手とどうしてもおつき合いを続けなければならない場合は、そうそう避けるわけにもいきません。ここで問題なことが、体からニオイを発している本人に限って、なかなか自分のニオイには気がついていないということ。それは、誰かのことを「臭い、臭い」と言っている自分にも当てはまることかもしれません。
 数十年前に比べると、世の中はどんどん清潔になり、ニオイや菌に敏感な人が多くなったようです。だからこそ、ニオイ対策は社会生活を営むうえでのエチケットとなったのでしょう。
 そこで、体から発する代表的なニオイ、ニオイの原因、予防方法などを次からご紹介します。

~口臭~ 口内環境を清潔に

 自分の体から発するニオイの中で、最も気にする人が多いのが口臭のようです。
 口臭の最も身近な原因として挙げられるのが食べ物。一番に思いつくのが、ニンニクやニラ、ネギなど。これらには、アリシンというニオイの元に変化する成分が含まれており、それが口臭の原因となるのです。
 そんな食べ物のニオイは食べ物で緩和することも可能です。よく聞かれるものが、ニオイを吸収する作用があるとされる牛乳、殺菌・消臭効果がある緑茶、雑菌の繁殖を抑えてくれる梅干しなど。ニオイのきつい食事をした後に試してみると効果を期待できるかもしれません。
 また、体調不良や乱れた食生活などにより、唾液の分泌が悪くなり、口臭を招くことがあります。唾液は雑菌の増殖を抑える働きもあるため、口が渇くと口臭が発生しやすくなるのです。
 そのほかの原因として、歯と歯茎の間などに残る歯垢にも要注意。歯磨きの際に落とし切れなかった歯垢は歯石になります。歯石になると自分で取ることは難しく、放置しておくと歯周病になり、口臭を招く原因にもなります。口内の点検として、定期的に歯科医に診察してもらうことが、清潔な口を保つ秘訣です。

~体臭~ 原因は皮膚表面の雑菌

■汗のニオイ
 体臭の主な原因は汗です。汗をたくさんかいた衣類を放置して、独特のニオイを発した経験を持つ人は多いのではないでしょうか。
 しかし、実は汗そのものにニオイはありません。汗がニオイ始めるのは、皮膚についた雑菌が汗と皮脂・角質をエサとして増殖するから。そのため、汗をたくさんかく人が、その分汗臭くなるというわけです。
■加齢臭
 「オヤジ臭い」「加齢臭」などという言葉に当てはまると思われているのは、中年以上の男性です。しかし、加齢臭は本当に男性だけのものなのでしょうか。
 そもそも、人は年齢を重ねると皮脂腺の中に含まれる脂肪酸や脂質が酸化した過酸化脂質というものが増え始めます。この2つが結びつくことで、ニオイを発しているといわれています。これが加齢臭の正体なのです。
 つまり、「加齢臭」は男性だけのものではなく、女性にも起こっている現象。男性のニオイばかりに気を取られず、年齢を重ねるごとに女性も自分自身の体臭に気をつけることが大切です。
■体臭の予防
 では、これらの体臭を予防するためにはどうすればよいのでしょうか。
 汗が原因の体臭なら、対策は汗の処理をきちんとすることです。汗をかいたらすぐに拭き取る、汗をかいた服は早めに着替えて洗濯をする、そして毎日きちんとお風呂に入って丁寧に体を洗うなどです。
 また、体のニオイは食習慣も関係しています。たとえば、動物性たんぱく質を多く含む肉類や乳製品を好む人は要注意。ニオイの元になる成分を含む皮脂が多く分泌されてしまうからです。魚や野菜などもきちんととり入れ、バランスの良い食事をめざしましょう。
 さらに、ストレスも体臭の原因に……。ストレスを感じて汗を多くかくこととは別に、ストレスは強い活性酸素を生み出します。活性酸素が増えれば、過酸化脂質も増え、体のニオイに影響を与えてしまいます。
 ちなみに、加齢やストレスで酸化した脂質が増えてニオイを発するわけですから、抗酸化作用のあるビタミンEやポリフェノールなどをとることも対策のひとつです。
 このように体臭は、正しい生活・食習慣を実践することでもある程度予防することができるのです。

~足のニオイ~ 靴のお手入れも忘れずに

 体のニオイのなかで、比較的自分自身で分かりやすいのが足のニオイでしょう。
 足の裏は汗腺が集中しており、汗をかきやすい場所。そのうえ、靴下や靴で密閉されているため、汗と雑菌が混ざりやすい環境が整っているのです。
 しかし、体臭のところでも説明した通り、ニオイの正体は汗そのものではありません。そのため、汗が雑菌の栄養分になることを少なくすれば良いのです。
 とくに、1日中靴を履き続ける毎日を送っている人は、靴下の替えを持っておくことも良いでしょう。また、同じ靴を毎日履くことは、雑菌をを繁殖させ、ニオイを増加させるためNG。連続して同じ靴を履くことを避け、ときには靴のクリーニングをしたり、晴れた日に干すことも手軽なニオイ防止の方法です。
 もちろん、毎日お風呂に入ったときに、足の裏や指の間など丁寧に洗うことは基本です。

~頭のニオイ~ 傷んだ髪も原因!?

 頭から発するニオイの原因は、大きく2つに分けられます。
 ひとつが、ニオイが髪の毛についてしまうこと。とくに髪が傷んでいる場合は、剥がれたキューティクルにニオイの成分が吸着しやすいといわれています。
 そして二つ目が、頭皮のニオイ。頭皮には、たくさんの皮脂腺があります。この皮脂腺から出た皮脂がたくさん残っていると、体臭と同じように雑菌の繁殖を招くのです。
 髪の毛が生えている頭皮は、皮脂をきれいに取り除くことが難しい場所。洗髪のポイントは、シャンプーをよく泡立て、指の腹で頭皮をマッサージするように洗うこと。そして、シャンプーを丁寧に落として、お風呂上がりには早めに乾かすことも大切です。濡れたまま放置しておくと、雑菌の繁殖につながるからです。

脳と香りの関係

人には、視覚、聴覚、触覚、味覚、嗅覚の五感があります。このうち、嗅覚だけは脳に直接情報を送っているちょっと特別な感覚です。また、香りをかぐことによって昔の記憶が呼び起こされたりするのは、脳の感情をコントロールする部分に直結しているからだといわれています。

ニオイ予防には生活習慣を見直そう

 口臭や体臭などの原因は、ここに挙げた限りではなく、ほかにもさまざまな原因があります。なかには、病気のサインとして発している可能性もあるのです。病気の可能性が疑われるようなニオイの場合は早めに病院に行くべきですが、そうではない場合、自分のニオイを気にしすぎるのもNGです。それがストレスとなって、逆にニオイを増幅させる可能性もあるからです。
 そして、どのニオイをとっても、予防の第一歩は清潔にしておくことと、生活・食習慣を整えることが共通します。ニオイの予防も健康作りと同じと考えれば、ニオイだけに固執することなく、トータルな健康を実現できそうです。