つらいアレルギー症に 負担が少ない「舌下免疫療法」

アトピー性皮膚炎、ハウスダストによる症状、花粉症など、多くの人が悩みを抱えているアレルギー症。今回は、スギ花粉症とダニアレルギー性鼻炎で悩む方に有効な「舌下免疫療法」について、ココネスクリニック院長の坂口文希先生にうかがってきました。

―アレルギー治療のひとつ「免疫療法」とはなんですか？

　アレルギーの治療法には、薬で症状を和らげる「対症療法」と、アレルギーの原因物質（アレルゲン）を少しずつ投与することで体を慣らし、アレルギーを起こしにくい体質に改善していく方法があります。これが「免疫療法」です。
　免疫療法は、注射でアレルゲンを投与する「皮下免疫療法」が広く行われてきましたが、注射による痛みがあることや通院の負担が課題となっていました。そこで新たに保険診療となったのが「舌下免疫療法」です。痛みもなく自宅で手軽に治療できることから注目され、2014年にはスギ花粉症、2015年にはダニアレルギーの薬が保険適用になりました。

―治療を受けるにはどうすればいいですか？

　舌下免疫療法はスギ花粉症とダニアレルギーを持つ方が対象です。まず採血してアレルギー検査を行い、スギ花粉、ヤケヒョウダニ、コナヒョウダニのいずれかに陽性反応が出た場合、治療を受けることができます。なお、検査に使う血液は、皮膚科や内科など別の科で採血したデータがあれば、改めて採血する必要はありません。

―具体的にはどのような方法で薬を服用するのですか？

　1日1回、舌の裏側に薬を置いて、1分ほど待ってから飲み込むだけです。薬は唾液で溶けてしまうので水なしでも飲めますし、服用の時間に決まりもないので非常に手軽です。ただし、始めて数日ですぐ効果が出る治療法ではありません。多くの方は半年ほどで症状が改善しますが、様子をみながら3年間は継続することが大切です。
　また、季節に関係のないダニアレルギーの方はいつでも治療を開始できますが、スギ花粉症の方は、スギ花粉が飛散する1〜4月は治療を始めることができないので注意してください。

―通常の抗アレルギー薬と、舌下免疫療法の薬では、費用面で違いはありますか？

　下の表を見てください。たとえば、通常の抗アレルギー薬（内服薬と点鼻薬、または目薬と点鼻薬）を1カ月使った場合と、舌下免疫療法の薬を比較しても、費用にそれほど差はありません。それ以外にも、舌下免疫療法の薬は5歳の小さなお子さんでも使えることや、スギ・ダニの両方を同時に治療できるというメリットがあります。

―薬を飲んでも大丈夫ですか？

　舌下の薬を飲んでいても、鼻水やかゆみなどのつらい症状があるときは、症状を和らげる点鼻薬や目薬を併用することをおすすめします。長く治療を続けるためにも、無理や我慢は禁物。医師に相談して、適切な薬を処方してもらいましょう。
　なお、舌下免疫療法の薬は、資格を持った医師のみ処方することができます。アレルギー症状にお悩みの方は、舌下免疫療法を行っているクリニックを受診して検査を受けてください。

「本気で治したい」患者さんのために。美も健康も多角的な視点でアプローチ 藤沢駅南口から徒歩1分、ショッピングモール「藤沢湘南オーパ」3階に位置する「ココネスクリニック」。土・日・祝日の診療に対応しているうえ、美容外科、形成外科、皮膚科、眼科まで多角的、かつトータルな診療が受けられることから、院長の坂口先生を頼って大勢の患者さんが来院されています。時に厳しく、時にユーモアを込めて、しかし治療については的確に、情熱を持って向き合ってくださる坂口先生。「治すのは患者さん自身。医者は本気で治したい患者さんの気持ちに全力で応えるだけなんです」。その言葉からも、多くの患者さんが厚い信頼を寄せている理由が分かります。 ココネスクリニック TEL 0466-23-6660 ［診療科目］皮膚科、美容外科、形成外科、眼科、アレルギー科、漢方外来
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