コラム編 “減塩”

塩分のとり過ぎは重大な病気の原因にも!少しの工夫で摂取塩分を減らすことは可能です。減塩生活をめざしましょう。
今回の管理栄養士

湘南藤沢オーパ店 野中 真輝

適切な塩分摂取量

 食欲を増進させ、料理のおいしさを引き立たせてくれる塩。塩は細胞を正常に保ったり、神経や筋肉の働きを調整したり、生命を維持するうえで欠かせない存在です。しかし、とり過ぎには注意が必要です。細胞内外のミネラルバランスが崩れてむくみが生じたり、高血圧や胃がんにかかるリスクを高めたりするのです。高血圧は脳卒中や心疾患など重大な病気を引き起こす可能性があるので放置できません。逆に塩の摂取量が少ないと倦怠感や食欲不振などを招いてしまいます。
 このように多過ぎても少な過ぎてもいけない塩分。適切な摂取量は厚生労働省が目安を出しています。それによると、日本人が目標とするべき塩分の1日の摂取量は、女性が7g未満、男性が8g未満。さじでたとえると、塩なら約小さじ11/4、しょうゆなら約大さじ3、みそなら約大さじ3、ソースなら約大さじ5。血圧が高い人はそこから2~3gの減塩が必要です。 1日の摂取量を意外と少ないと感じた人も多いことでしょう。しかし、とくに和食は塩分を多めに含むものが多く、3食きちんととっている人なら塩分が不足することはまずありません。むしろとり過ぎに注意が必要で、1日7~8gに抑えるには減塩を意識していないとすぐに超えてしまいます。

減塩のポイント

 塩分をとり過ぎないようにするためにはいくつかポイントがあります。家で調理する場合は、①新鮮な食材を利用して食材そのものの味を楽しむ、②うま味・酸味・香辛料・ごま・にんにく・しょうが・ねぎ・ハーブなどで薄味をカバーする、③減塩調味料を使用する、④汁物は具をたくさん使って汁の量を減らす、などです。また、外食やお弁当・お惣菜などは塩分が高めです。単品よりも栄養バランスのとれた定食を選んだり、ラーメンなど麺類のスープは残したりといった心掛けが減塩につながります。
 ちなみに、カリウムには塩分が腎臓で再吸収されるのを抑えて尿と一緒に排泄するのを促す働きがあります。意識的にとることで、高血圧の予防にもつながります。

知っておきたいお料理のいろは

みかんの飾り切り〈花みかん〉 作り方
①果物ナイフを準備する
②真ん中の部分にジグザグにナイフを刺していく
③一周刺し終わったら、上下2つにゆっくり分けて出来上がり