「いつもと違う頭痛」は 見過ごさず精密検査を

頭痛は、私たちにとって日常的に起こりやすい一般的な症状。だからこそ「いつものこと」と見過ごしたり、多くの情報から誤った認識を持ったりしがちです。今回は脳のスペシャリスト丹羽先生にうかがった「頭痛について」、とても興味深いお話をご紹介します。


横浜脳神経内科
理事長・院長
丹羽 直樹 先生

千葉大学医学部卒業
日本神経学会神経内科専門医·指導医
日本頭痛学会専門医・指導医
日本脳卒中学会専門医
日本内科学会認定内科医

―頭痛にはタイプや違いなどがあるのでしょうか?

 製薬会社やクリニックのパンフレットやホームページなどでよく、「頭痛は三つのタイプに分けられる」とあり、その分類がされています。しかし、当院の見解はまったく違います。頭痛一元化論といって、「頭痛に区分けはなく、すべて連続したひとつで、違う局面が現れているにすぎない」という考え方です。さらに、慢性頭痛といわれる日常的に繰り返すような頭痛は、その9割9分がいわゆる片(偏)頭痛と呼ばれているものです。つまり頭痛を訴える方のほとんどが片頭痛であるということ。まれにそのなかに危険な疾患が交じっていることがあるため、それらを見極め除外する目的で、MRIなどで詳しく検査をするのです。

―その片頭痛について詳しく教えてください。

 片頭痛はMRIで映るものではありませんが、特徴が数多くあります。痛みの出方、場所、頻度、時期、生活習慣などを問診で詳しく聞き、総合的に判断します。
 よくいわれるのが「頭の片側だけが脈を打つように痛む」というものですが、必ずしも頭の片側が痛むわけではなく、4割が両側に痛みが出るといわれています。ジーンと締め付けられるような痛み、吐き気やめまいを伴う痛みなどもあります。これらの症状に合わせて、「パソコンやスマホの画面がまぶしく感じる」「においに敏感になる」「人混みで痛みが増す」「音が気になる」などがある場合は、片頭痛である可能性がかなり高いといっていいでしょう。

―肩凝りからくる頭痛も片頭痛ですか?

 「ストレートネックのため、肩凝りから起きている緊張型頭痛だ」などの解釈がよくありますが、これは誤りです。そもそも肩凝りで頭痛が生じるという医学的根拠は示されていません。肩の痛みはたまった乳酸が消えれば緩和されるはずですが、マッサージや温浴では頭痛は良くなりません。痛みは脳からの信号であり、肩に原因があるわけではないのです。脳の中には痛みを出す回路と抑える回路があり、慢性的な頭痛はこのコントロールに破たんが起きている状態です。  目の場合も同様で、パソコンの画面で頭が痛くなるのは、目の疲れからではなく、ブルーライトによって刺激された脳が痛覚過敏状態になっているからです。いわゆる緊張型頭痛と呼ばれている症状は、よくよく聞けば片頭痛にあてはまります。

―日常生活で気を付けることはありますか?

 慢性頭痛は疾患ではなく、花粉症や高血圧などと同じ生活習慣病です。環境因子がとても大きく影響しますので、光や音、人混みなど、頭痛が起こりやすい状況を避けるよう心掛けると症状が軽くなることはよくあります。とくにブルーライトは注意が必要で、青色のLEDは波長が短く紫外線に近いため、頭痛を起こしやすいといわれています。最近のスマートフォンは健康への配慮がなされ、画面を冷たい色味から暖かい色味へ変えられるようになっています。アイフォーンはナイトシフト、アンドロイドはナイトモードという設定がそれにあたりますので活用すると良いでしょう

―治療法はありますか?

 慢性頭痛の治療は主に投薬です。脳の血管が広がり、ズキンズキンと痛む場合は、血管を縮めて元に戻すトリプタン製剤という頓服薬が用いられます。血管を縮めるだけでは痛みが収まらない場合は、感度を抑える必要があります。その場合は抗てんかん薬や抗うつ薬が効果的です。
 効果があり副作用がない市販薬でも良いのですが、いずれにしても薬が効かなくなったり、いつもと違う痛みのパターンが現れたら注意が必要です。痛みの持続、強さ、場所が違ってきたら放っておかずすぐに精密検査を受けてください。動脈瘤のように症状が出ないものもあるので定期的な検査もおすすめします。

日本全国から頭痛に悩む人が訪れる。エキスパートが集結したクリニック 近代的なビルが建ち並ぶその一角のなかでも、ことさら目を引く無機質でスタイリッシュなクリニックが横浜脳神経内科。横浜近郊だけでなく、頭痛に悩む患者さんが日本全国から診療に訪れる最先端の頭痛外来です。頭痛のエキスパートが徹底的な問診と神経学的考察をし、一人ひとりの症状を解明するオーダーメイドの精密検査が行われています。より正確な診断ができるようダブルチェック、トリプルチェックも徹底。「専門医なので、絶対に間違えてはいけない」とおっしゃる丹羽先生。私たち一般人にとって、脳の健康は難しい話ですが、とても重要なことです。横浜脳神経内科は、「ここならば」と思わせてくれるクリニックです。 横浜脳神経内科 TEL 045-620-8920 [診療科目]脳神経内科
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